今回我々は、中大生協多摩店食堂にあるハンバーガー屋トムボーイを調査した。調査に伴い、中大生協食堂事業部にご協力いただき、インタビューを行った。
再開の経緯
コロナ禍の影響で閉店を余儀なくされてしまったトムボーイ。しかしその味を再び味わいたいと願う学生の声や、学校の看板である食堂にハンバーガー屋を作りたいという担当者である駒田氏の気持ちがキッカケとなり、再開するに至ったそうだ。コロナ前後での違いは、材料費が高騰したこと、法学部の茗荷谷移転により学生数が減少したこと、そして以前と同じ様な値段でハンバーガーを提供することが難しくなってしまったことである。しかし、あまりお金が無い学生にもきちんとした食事を取って欲しいとの生協の理念から値上げは極力抑え、ローコストを目指した。そうした努力の甲斐あって値段の変化はないという。
プレオープンとグランドオープンの違い
担当者の駒田氏によれば、プレオープンの目的はオペレーションがきちんと動いているかの確認・修正等の最後の微調整をすることと、あえて2つに分けることによって学生を分散させることであった。プレオープンとグランドオープンによる商品自体に違いは設けていないようだ。ちなみに、プレオープン当初の想定では1日150食を予定していたそうだが、想定以上の大反響により、実際にはその倍の300食程度が注文されたらしい。
コロナ前との比較
コロナ前と比べると、メニューの数は減少したそうだ。その理由として、学生がガラッと入れ替わったことや、未だ手探り状態であることなどが原因であるという。まずは低価格でコンスタントに提供することのできる、「てりやき」「チキン」「メンチカツ」の3品から復活させることとなったそう。この中でも「チキン」の売れ行きが特に順調なようである。これに対し駒田氏は、「この3品の中で最も価格が低いことも人気を後押ししているのではないか」と述べた。また過去に売れ行きの良かった商品について、「ソフトクリーム」はコロナ前に学生から特に好評だったため、早々に販売が再開されている。ほかにもいくつもの商品を復活させる予定があるようだ。
新商品
新商品の開発にも余念がないようである。たとえば、「グルメバーガー」などが実際に考えられている。駒田氏は、「学食のイメージを覆す、かなり美味しいものを提供したい」と意気込む。昨今の大学では、オンライン授業などの整備も進んできた。そのことによって、学生は大学に来なくても学ぶことができるようになってきた。だが、それは学生食堂の利用者が減少することを意味する。そのような中で、生協の方々は、集客を図るべく策を凝らしている。トムボーイにおいても、利用者をさらに増やすべく、今後もメニューの追加や味の改良を続けるようだ。
利用者の声
中央大学の生徒をターゲットに11から12月の間、トムボーイ営業再開に関するアンケート調査を実施したところ、利用したことが「ある」との回答は55%に上った。営業開始からあまり時間が経っていないためか高頻度で利用している声は見られなかったが、新入生は食堂に初めて見るハンバーガー店ということで利用した場合が多く見られた。人気メニューは、圧倒的に「ポテト」との声が高く、約63%もの人々が「ポテト」をお気に入りと回答した。デザートメニュー(再開前)については同率で、「スティック大学芋」と「いちごアポロ」が40%で1位にランクイン。「シューソフト」他が20%という結果だった。また、これからのメニューとして「トムシェイク」「トムボール」の復活を期待する声がある一方で、マヨネーズ不使用のバーガー販売を求む声なども寄せられた。
調査は11月20日から12月7日、中央大学の学生を対象に実施し、20人が回答した(回答率62%)。
(運天・中橋・山口)
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