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「徹底した人材投資で、長期的な経済成長を」玉木雄一郎講演会

 国民民主党党首の玉木雄一郎氏は12日午後、中央大学3号館の大教室で、講演を行った。主催は、中央大学政治学会で、土曜日の午後にも関わらず、160人も来場した。玉木氏は、スクリーンを用いて、グラフなどを示しながら、1時間程度講演した後、来場者から寄せられた質問に答えた。


◇「信じたことを突き進む」

 冒頭、玉木氏は自身のYouTubeチャンネルである「たまきチャンネル」に言及した。メディアを通じての発信には限度があると感じた玉木氏は、自らが直接主張を発信できるとして、数年前にこのチャンネルを開設した。今では、当チャンネルの登録者数は、10万人を超えているものの、開設当初はかなりの批判を受けた。コメント欄では、誹謗中傷が多くあった。しかし、継続をしていくうちに、その傾向は和らいだ。「政治は何をやっても批判をされる」しかし、そうした中で、「自分の信じたことを続けること」これが大切だ。批判の中でも、発信し続けることの大切さを説いた。


◇「ブレない政治」を

 玉木氏は、2009年に衆議院議員選挙で初当選を果たした。3年3ヶ月間与党議員として活動したが、2012年の政権交代によって、野党議員になった。しかし、当選前から「主張は変わらない」という。選挙に勝つための主張ではなく、本当に日本にとって必要なことを主張することが大切だ、と述べた。



◇「批判ではなく提案を」「対決型ではなく解決型野党」

 玉木氏は、前日辞任した葉梨法相に触れ、こうした失言は問題だが、そうした批判ばかり野党がしても、日本は変わらないとして、野党の姿勢を批判した。「文句ばかりでは日本は変わらない」とも述べ、解決を目指した建設的な議論の必要性を訴えた。国民民主党は、ガソリンや電気代の値下げをどの政党よりも早く打ち出し、首相に提言も行い、政策を実現してきたと成果を強調した。


◇日本の低い実質賃金

 玉木氏は、実質賃金について、アベノミクス効果によって、やや上昇傾向を示したものの、2019年の消費税増税や2020年のコロナの拡大によって、急落傾向に転じたことを指摘する。また、一人当たりGDPは、先進国が軒並み上昇する中、日本は、ますます下がり続け「26位」という先進国としては、最低の水準を記録したことを指摘する。なぜ、日本は国益減少の一途を辿るになってしまったのか。玉木氏は、15兆円の需要不足がデフレ傾向を加速している点に着目して、この原因を「日本人の著しく低い実質賃金」に求めた。


◇給料を上げることが、日本をよくする第一歩

 玉木氏は、日本の給料が世界と比較して低い状況にあり、その是正が日本の経済成長につながると主張した。例えば、米大手スーパー企業のウォルマートに勤務するトラックドライバーの年収は、現在2000万円を超えていて、米国と日本の「差」を強調した。

 短期的には、供給に対して需要が不足している、需要不足を埋めることが必要だと訴えた。「賃上げ」ありきの政策ではなく、需要増によって、労働市場で供給不足を起こし、給料が上がるように政策で誘導することが大切だとした。



◇「人への投資」を 

 玉木氏は、長期的な視点からの政策も大変重要で、それが「人への投資」だと主張した。特に科学技術の研究開発予算が日本は、圧倒的に不足していることに懸念を示した。日本はここ20年間で研究開発予算を増額してこなかった一方で、中国は24倍に増額していることも指摘し、これでは、研究開発競争に日本は「勝てない」と警鐘を鳴らした。技術開発は、「イノベーション」を起こすことに目的があるわけだが、その担い手は、「人」であり、究極的に、研究開発は、「人を育てること」だ。資源や食料が豊富にあるわけではない日本は、「人と技術で食っていくしかない」とも述べ、「人への投資」の重要性を強く訴えた。


◇「自分の国は自分で守る」

 玉木氏は、国を守ることの重要性にも言及した。コロナ禍によって、軍事力だけではない、総合的に国を守る力の必要性に気付かされたとして、特にワクチンやマスクなどを外国企業に依存する構図の是正を訴えた。「いざというときに国が回らない」そんな状況を、回避するべきで、重要製品の自国生産などを拡大すべきで、しっかり自国内でお金が回る仕組みが必要だと主張した。


◇「想像力」をはたらかせて欲しい

 玉木氏は、講演の最後に、学生へ向けてメッセージを送った。ここに来ている人は政治に関心のある人たちで、将来、リーダーシップを発揮する人たちだ。しかし、様々な理由でここに来ることができない人がいる。経済的な理由で、学びたくても学べない人もいる。ぜひ、そうした人も含めて、良い社会を作るにはどうしたらいいのか。「想像力」をはたらかせて、考えて欲しい。このように学生へ向けて訴え、講義を締めくくった。


(小林・建川)


会場からは質問・意見が多く出た


質疑応答


質問)国民負担率の増加について


回答)一般国民の生涯年収が約2~3億円で、生涯で約1億円を税金として納めている。国民の負担は約5割とかなり大きく、この負担を減らすことが求められているが、分子を減らすことばかりでなく、分母を増やす。つまり所得を増やすことにより重点をおいて政策を行うべきであると考える。


質問)地方への「人づくり」に向けての政策、考えとは


回答)観光業が地域活性化の起爆剤となると考える。また美味しく、バランスの取れた和食は日本の文化として強みがあり、地域ごとの食材を生かしていくことで地域の活性化に繋がる。政治に関して、中央集権制の強すぎる日本は地方分権化を進めて、地方のことは地方で決めるようにする必要がある。


質問)法人税の増税に関して


回答)より上げるべきである。タックスヘイブンなどを利用した税逃れが横行し、税率の下げ合戦が始まってしまい、税収のベースが失われてしまっているため、国際的に最低法律税率を定めてそれより下げないことを定めるべきである。日本に関しては内部留保が多いため、企業にはきちんと法人税を支払ってもらい、社会に再分配する必要があると考える。


質問)国会議員の歳費が多すぎる、公務員の給料の増加に対する批判などに関して


回答)公務員叩きばかりしていても、誰も幸せにならない。民間、公務員どちらも同様に、能力に応じて払うべきものはきちんと支払うべきである。国会議員の給料に関しては、議員の数をまず減らすべきで、必要な人に、働く人に給料を支払うべきである。


質問)研究費への投資が大切だとあったが、研究についての投資はどのような形式で行われるべきだと考えるか


回答)削ってきた運営費を増やすこと。全てのベースになるところをまずは保障する。次に書類選考の際の山のような書類を書かせることをやめさせるべきである。資料の作成に時間をとられてしまい、本来の研究に充てる時間が取れなくなっている現状を改善すべきである。




質問)政策を実現する際の財源の確保について


回答)先進国の自国通貨建て国債をデフォルトとすることはあり得ない。あくまでも返済のための国債であり、きちんとした借入をすることが大切である。例えば、納税者の数が増えることに関しては国債を発行して投資を行うべきである。人1人1億円税金を納めるとしたら、子が1人生まれたら1000万円支払っても10倍のリターンがある。どのように借金を使うのかが大切になる。


質問)これまでの話だと、金を稼げる人間を作るみたいな感じで、国民教育、人が人らしく自由に生きられる社会をつくるには


回答)文化などに時間を割くにはきちんとした給料があることをベースとする必要がある。余裕のある暮らしがなければ、その上の文化、豊かさのある生活が乗ってこないからである。そのため、全ての基盤となっている経済の安定化を図ることで、希望、安心、豊かさを担保し、人が人らしく生きられる社会を作ることが出来ると考える。


質問)若者の政治参加について


回答)被選挙権の引き下げ。大学生政治家などが登場すれば、同年代の人も関心を持つと考えられる。またネット投票の導入。20代30代のみが投票できる若者選挙区などの導入を考えている。


(柴)



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