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  • 執筆者の写真中央大学新聞

旧海軍基地の歴史が息づく街「呉市」へ

はじめに

 我々は今回、広島遠征で呉市を訪れた。辺りは山に囲まれ、海もあり、歴史もあるとなれば観光にはうってつけの場所だろう。そんな呉で、我々ははじめに大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)を訪ねた。大和ミュージアムは、呉の歴史と造船・製鋼を始めとした科学技術を様々な実物資料から紹介するとともに、日本の戦争の歴史と平和の大切さを再認識し、それを未来へと繋げることを目的としている。その中でも戦艦「大和」は大和ミュージアムのシンボルとして展示されていた。戦艦「大和」。この名前を知らない人は居ないのではないだろうかと思う程、抜群の知名度を誇る日本の戦艦である。しかし、戦艦大和の活躍を具体的に知っている者はどれだけいるだろうか。今回は戦艦大和を主軸に大和ミュージアムについて紹介していきたい。


戦艦「大和」の活躍

 まず戦艦「大和」が呉市で造船されたと言うのはご存じだっただろうか。呉は戦前においては日本一の海軍工廠のまちとして栄えた。戦艦大和が建造された背景には日本がロンドン海軍軍縮会議から離脱したことに始まる。それにより列強国による軍艦の製造競争が始まり、その中で日本海軍が建造したのが戦艦大和である。戦艦大和は最新鋭の装備を搭載しており、とりわけ主砲の46センチ砲は当たれば沈まない戦艦はないと言われる程であった。しかしその頃から各国の航空機の性能が向上し、戦いの主軸は戦艦から航空機へと移り変わり、戦艦による戦いは行われなくなっていった。レイテ沖海戦では同じく呉で造船された姉妹艦「武蔵」が撃沈し、目立った大和の活躍は特になかった。昭和20年に入るとアメリカ機動部隊が空襲に来るようになり、昭和20年4月8日坊ノ岬海戦で戦艦大和はアメリカ軍機や魚雷など直接攻撃を受け、沈没した。当時世界最大最強の戦艦「大和」はその力を十分に発揮することが出来ないままその幕を閉じたのである。


大和ミュージアムの役割

 大和ミュージアムではこの戦艦大和の10分の1サイズの模型を始めとした、様々な実物資料が展示されている。零式艦上戦闘機や人間魚雷回天、九三式魚雷、当時の人々の服や兵隊の軍服なども実際に見る事が出来る。また資料と共に映像での解説もあり、小中学生にも分かりやすいものとなっていた。また子供向けに船を作る技術を実際に体験することが出来るブースもあり、沢山の子供で賑わっていた。「未来へ」展示室では、戦艦大和の歴史、呉の歴史などが大スクリーンで上映され、映像の最後に戦死者の芳名が映し出されたときには改めて戦争の凄惨さを感じた。

 大和ミュージアムは戦艦大和を通じて、技術の進歩と平和の大切さを伝えている。戦艦大和を建造した呉海軍工廠は戦後その技術力を生かして、巨大タンカーを建造するなど地域発展のみならず、日本の発展に貢献している。またその技術力を未来に繋げるべく小中学生向けの展示もあるため、老若男女問わず、考え、興味を持つことが出来る。是非広島、呉を訪れた際は足を運んで頂きたい。

戦艦「大和」 10分の1模型

海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)と潜水艦「あきしお」

海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)では、国防を担う潜水艦の歴史と現在の活躍、機雷撤去等を担う掃海艇の歴史と活動実績を知ることができる。やはり当館でとりわけ目を惹くのは、屋外に設置された長さ76.2メートル、幅9.9メートルに及ぶ巨大な潜水艦である。この潜水艦は、ゆうしお型潜水艦「あきしお」と呼ばれ、2004(平成16)年まで実際に潜航していたものである。普段は間近で見ることの決してできない実物の潜水艦であるが、当館では無料で乗艦し、その内部を自由に見学することができる。取材班一同も、内部の様子をうかがうべく、潜水艦「あきしお」に潜入した。巨大な外見とは対照的に、内部は非常に狭く、通路は大人一人が両手を広げることが出来ないほどの幅員である。個室は艦長室のみ用意されており、その他の士官用寝室や士官室等は共用スペースとなっていた。操縦室は潜水艦の前方に集中しており、操縦席を取り囲むように機材が配置されていた。このような閉鎖的な空間で日の光を浴びることなく、数か月に及んで勤務をすることは常人では到底行い得ず、精神的にも身体的にも過酷な状況がうかがわれた。国民からは見えない、静かな海底でも日本を守り続ける海上自衛隊の勇姿に感服するばかりである。

ゆうしお型潜水艦「あきしお」

日招きの里「呉ハイカラ食堂」

 さて、史料館見学後の昼食もこの旅の醍醐味である。海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)から350メートルの距離にある、日招きの里「呉ハイカラ食堂」では、海上自衛隊・呉基地に所属する艦船等で実際に提供されているカレーを再現した『海自潜水艦カレー』(税込950円)を頂くことができる。当店一押しと称されるこのカレーは、口に運んだ瞬間に熟成された野菜本来の甘みが感じられる一方で、とたんに後から燃え上がるような辛さが込み上げてくる。この甘さと辛さの循環でスプーンが進む、実に癖になる一品だ。店内には、高度成長期の日本の活力を感じさせる鮮やかな装飾、それから戦艦大和や三連機関銃の模型が展示され、当時の流行歌や歌謡曲が流れている。昭和後期の雰囲気を肌で感じながら頂く『海自潜水艦カレー』はまさに絶品である。

海自潜水艦カレー(税込950円)

(柴・建川)




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