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  • 執筆者の写真中央大学新聞

歴史と思いの指月殿

 当会新聞学会は、伊豆修善寺に赴いた。源氏ゆかりの史跡が多く残されている修善寺の中で、今回は指月殿を紹介する。伊豆最古の木造建築である指月殿は、この地で眠る鎌倉幕府二代将軍源頼家の冥福を祈り、母、北条政子が建立した。「指月」とは経典を意味し、禅家が愛用している不立文字を解く言葉である。昨年放送されたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』を見ていた者であれば、一度は訪れたいと願う場所だろう。私もその一人だ。金子大地演じる不器用ながら懸命に突き進む源頼家が、権力闘争の末修禅寺に幽閉され、非業の死を遂げた姿は、多くの視聴者の心をつかんで離さない。頼家が死を遂げた回の放送後には、『頼家ロス』という言葉がSNS上に散見された。私も呟こうかと思った。ほかにも修善寺地域には『鎌倉殿の十三人』にまつわる史跡が数多く残されているため、ドラマを履修してから観光に臨むと、通常の数倍~数十倍楽しめるだろう。おすすめである。

指月殿

 指月殿を拝む上で注目したいのは、本尊の釈迦如来坐像だ。寄木造りで高さ二百三センチ。非常に迫力があり、圧倒される。本来は持ち物のない釈迦像が右手に蓮の花を持っているのだが、なぜだろうか?蓮の花は仏教における、極楽へ生まれられる人の心の特徴を表しているそうだ。希望も含めた推測であるが、政子は頼家が極楽へ導かれることを心から願い、建立したのだろう。そうに違いない。


 今回指月殿を訪れて、不思議な「圧」のようなものを感じた。それは頼家の怨念なのか、政子の愛情か、それとも息子を守れなかった自責の念か。正体はわからないが、多くの思いが交わる場所である。

(西名)

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