ロープウェイの様子
早雲山駅から大涌谷へ向かうのにはロープウェイを使った。ロープウェイは1分間隔で次々と出ていたため、待たずとも乗ることができた。ゴンドラは12人程度が座って乗れる作りになっていて、我々と他2グループほどが同じゴンドラに乗り合わせた。空中を移動することに心躍らせながら乗り込み、しばらくするとゴンドラ内のスピーカーから、これから見えてくる景色についてのガイド音声がタイミングよく流れてきた。山を越えるまでは東の山の稜線や遠くの景色がよく見え、当日はあいにく若干もやがかっていたたが、運が良ければ東京スカイツリーも見えるそうだ。山を越えるとそこには大涌谷と呼ばれる谷が広がっている。約三千年前に箱根火山が大規模な素蒸気爆発を起こし、山が崩壊した地形であり、いわば箱根火山の火口である。谷は硫黄で黄色く染まって、湯気が立ち上っており、大涌谷がかつて「地獄谷」と呼ばれていたことにもうなずける圧巻の景色であった。もしロープウェイが止まったり落ちたりしたらそれこそ地獄に落ちるようだ、と私は冷静を装いながら内心冷や汗をかいていた。それほど鳥肌ものの景色でこれは実際に乗らないと味わえないものだと思った。また、ゴンドラ内でも硫黄のにおいが少しして、かなりの臨場感があった。ちなみになぜ「地獄谷」から「大涌谷」に改称されたかというと、かつて明治天皇の大涌谷行幸があり、その際に天皇陛下を地獄と呼ばれるところにお通しするわけにはいかなかったからだそうだ。
大涌谷駅の景色
さて、ロープウェイに揺られること10分弱、大涌谷駅に到着する。降りると硫黄のにおいがものすごく、いかにも温泉が出る場所に来た、という感じであった。駅の外は見晴らしの良い展望台のようになっていて、大涌谷のほうの山肌や迫力ある富士山を間近に眺めることができた。国内・外国の観光客で多く賑わっており、一通り歩き回った後は会員の皆でお土産屋を回った。ここがやたらと「大涌谷黒たまご」を推してきたので、みんなで食べてみたのだが、殻が黒いこと(温泉池の鉄分が硫化水素に反応し硫化鉄になるから)以外は普通のゆで卵だと思った。しかし、会員の皆で雄大な自然に触れながら味わえたのはとても思い出深いものとなったので、大涌谷にくることがあったら黒たまごも一緒に楽しむことをお勧めする。
最後に、大涌谷に行く際の注意点を紹介する。大涌谷は標高が高く、硫黄の匂いもきついので、体調が良くないとしんどい思いをする可能性がある。日々の多摩キャンパス通学で慣れてるよという人も、少し服装に気を付け、準備万端で行くようにしよう。(小武海)
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