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【箱根駅伝】悔しさと手応え、新たな挑戦へ――中央大学陸上競技部駅伝チームインタビュー

  • 執筆者の写真: 中央大学新聞
    中央大学新聞
  • 4月1日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月6日



(左から)吉居駿恭選手、園木大斗選手、藤原正和監督。
(左から)吉居駿恭選手、園木大斗選手、藤原正和監督。

2025年の箱根駅伝で中央大学は躍動した。往路では序盤から快走を見せ、総合7位以内を目標に掲げていたチームは、結果として総合5位を達成し目標を達成。しかし、選手たちの表情には悔しさもにじんでいた。本紙では中央大学陸上競技部の駅伝チームから藤原正和監督と1区吉居駿恭選手、5区園木大斗選手に、今年のレースを振り返ってもらい、来年への思いを語ってもらった。


「表彰台を狙えた」――監督が語るチームの成長と悔しさ


レースを振り返り、監督は「7位以上という目標自体は達成できました。ただ、レースの流れの中で、表彰台を狙える位置まで来ていたので、その点では悔しさもあります」と率直な気持ちを語る。嬉しさと悔しさが半分ずつというのが、今回のレースの正直な感想だという。


1区で独走した吉居選手「兄の記録より、チームの勝利を」


中央大学のレース展開を大きく左右したのが、1区を走った吉居選手の快走だ。彼の兄は過去に区間新記録を樹立しており、その記録について意識したかと尋ねると「意識はしていませんでした。ただ、最初の5キロは兄より速いペースだったので、記録も狙えるかもという気持ちが少しはありました」と振り返る。しかし、彼が何よりも意識していたのは「後ろとの差をつけること」だった。

「結果として1分半以上の差をつけられたことは、1区の役割を果たせたと感じています。ただ、後半ペースを落としてしまい、自分の力不足を痛感しました。もっと強くなりたいと思いました」と、成長への意欲を見せた。

監督も「1区であれだけの独走を作れたのは大きい。ただ、本人としては全日本大学駅伝で悔しい思いをしていたので、不安もあったと思います。3年間本来の(吉居)駿恭の走りをさせてあげられていなかったが、ここに来て、箱根でそれもしっかりと取り戻せた。成長して4年目のシーズンに入れられる。」と評価する。


5区・園木選手「卒業を遅らせた覚悟のレース」


山登りの5区を担当した園木選手は、卒業を1年延長して今大会に臨んだ。「怪我を乗り越えてここまで来た5年間が報われたと感じたので、残って良かったと思っています」と語る一方で、「結果的には悔しさが残るレースになりました」と正直な心境も明かす。

昨年、中央大学は体調不良のアクシデントに見舞われ、思うような結果を出せなかった。監督も「非常に力のあるチームだったが、万全の状態で戦わせてあげられなかった」と振り返る。同期たちの無念を間近で見ていた園木選手は、「同じ思いを繰り返さないために、チーム全体で徹底して体調管理をしました」と語る。クリスマスのオフも外出を禁止し、不要な外出を控えるなど、細心の注意を払った。

チームのために1年を懸け、最後の箱根駅伝に挑んだ園木選手。その走りは、来年へと続く中央大学の新たな挑戦の礎となるだろう。 

そんな経験を経て、来年に向けてチームはどう進むのか。監督は「学生たちが総合優勝を狙いたいと言っている。30年遠ざかっている優勝を、なんとか彼らに取らせてあげたい」と決意を語る。

園木選手は「もともと大学で陸上を引退するつもりでしたが、これからの目標を今は考えています。いずれはマラソンに挑戦したい」と話す。吉居選手は「今年は世界陸上が東京で開催されるので、そこを目指したい。そして大学4年目となる来年は、主将として箱根で総合優勝を狙います」と、さらなる飛躍を誓った。


新入生へ「自由な大学生活を楽しんで」


最後に、新入生へメッセージをお願いした。

園木選手は「大学生活で一番大事なのは単位を取ること! 授業は大変だけど、部活やサークル、バイトなどいろいろな経験をして、4年間を楽しんでほしい」とアドバイス。吉居選手は「高校生の頃より自由が増えるので、積極的に挑戦してほしい」とエールを送った。

監督も「今の新入生は、中高校時代にコロナ禍で制限が多かったと思う。だからこそ、大学ではいろんなことに挑戦し、友達をたくさん作ってほしい」と温かい言葉を贈った。

悔しさをバネに、さらなる高みを目指す中央大学駅伝チーム。彼らの挑戦は、まだまだ続く。(進士)

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