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  • 執筆者の写真中央大学新聞

【波紋】光と影

 陽が差さない場所がこの世にないのなら自分自身を陰にしてしまう方法はないかと、模索している___金原ひとみ『蛇にピアス』に出てくるセリフだ。


 ◆夜の世界をさすらう女主人公・ルイはクラブで知り合った男・アマに惹かれ、スプリットタンや刺青、ピアスなどの身体改造にハマっていく。明るい世界を忌み嫌い、自身を影の存在に葬る彼女は、作中、物理的な光にさえも寄り付かない。


 ◆中央大学構内は、暗くなるとイルミネーションがライトアップする。ツリーに巻きついた電飾、垣根が色とりどりに光る眺めは思わず立ち止まって見てしまうほどの光景だ。


 ◆なぜイルミネーションを夏ではなく、冬に飾るのか。それは、気温が低いほど空気中の水分量は少なくなるため、暑い時期と比べて、光が遮られず、綺麗に見えるからである。冬の方が、暗闇の純度が高い。光は、濃い影あってこそのものなのだ。


 ◆ いったんスマホをしまってみて、自分を影にしてみると、イルミネーションの綺麗さ、星の美しさがより、際立って見える。影が濃ければ濃いほど、光が美しく見えるのだろう。(小武海) 

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