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  • 執筆者の写真中央大学新聞

【波紋】アイデンティティーで裁き合う世界で生きる

 「子供の1年は大人の10年」という言い回し(ジャネーの法則と呼ばれるようだ)があるが、最終学年への進級を控える筆者にとっては時が経つのが本当に早く感じられる。2024年は中央大学法学部の茗荷谷移転から早くも1年が経過し、さらに能登半島地震や羽田空港の飛行機衝突など年始から不穏な事件が相次ぐ中、今年も決して平易ではない入学試験を突破した新入生の皆さんが中央大学の学生の一員としての生活を始める。毎年様々な学生がそれぞれの理由で大学進学、ひいては中央大学への入学という道を選択するが、皆さんが自分自身の人生を納得いくものにしていくことができるよう期待したい。


 他方で在学生の進路に目を向けると、3年生の時から就職活動を始め内定を取っている学生が近年増加傾向ではあるものの、やはり最終学年春から夏にかけて進路決定の本番を迎える人も少なくない。筆者は現在公務員試験に向けての勉強に精を出す日々が続いているが、試験に合格するためには筆記試験だけではなく面接や集団討論といった所謂人物試験の対策も欠かすことができない。こうした試験の場では誰にでも当てはまるような所謂”マニュアル通りの”内容は評価されないと一般に言われる。


 しかしながら、自身の経歴を振り返った上で自分の正直な思いに沿って真剣に考えているのならば、それは決してマニュアル通りになることはない。現代の日本はなまじ先進国であるがゆえに、”普通の人”と違った道を歩める人しか受け入れないというある種の選民思想が根付いているとも思える。だが、たとえ人の上に立つことのできる人であっても、結局は周囲に人がいなければ誰も生きていくことはできない。二人として同じ人間のいないこの世界では、誰が歩むと決めた道も同じにはならないし、またそれを他人に否定される謂れも無いのである。


 進路を決めるには、自己分析、すなわち自分自身がどのような人間であるかを自分なりに表現できることが求められる。情報化が加速し、LGBTQのような様々な価値観が一層可視化される時代だからこそ、他人に押し付けられることのない自分だけのアイデンティティーを確立し、悔いのない進路の選択をしていく必要があるだろう。(両角)

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