2023年度の白門祭は、法学部にとっては茗荷谷キャンパスに移転してから初の学園祭となった。茗荷谷キャンパスは近隣に住宅が多い上に、屋上庭園こそ存在するものの多摩キャンパスや後楽園キャンパスのようにブース設置が可能な屋外の広場が無い。そのため企画は体験会や展示が多い代わりに飲食関係の出店や屋外イベントが大幅に縮小されており、他キャンパスのように音楽や歓声が響き渡る光景はお目にかかれない。そのような中で白門祭実行委員は茗荷谷という地域の特徴を活かし、屋内イベントを前提としつつ他大学との連携や子供向けの企画といった工夫を凝らした。
・東京学祭めぐり(白門祭実行委員会茗荷谷事務局)
東京都内に所在する14の大学の学園祭に赴いてスタンプを集め、景品を手に入れるというスタンプラリー型のこの企画。事務局にとっては、キャンパス移転初年度ということもあってノウハウは無く手探り状態、かつ企画も室内に制限されるという厳しい船出の中、東京学芸大学の学生の方から勧誘があっての参加となったようだ。当初は企画に手が回るかどうかも分からない状況だったこともあり、「来てよかったと思えるようにしたい」というのは企画立案に関わった事務局委員の方の弁である。(中略)参加者には他大学の学園祭も知ってもらい、景品としてそごう美術館やサンシャインシティで使用できる割引券を配布するなど、周辺地域との“相乗効果”を十二分に期待させる取り組みであった。
茗荷谷キャンパスの所在する東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅近隣には、拓殖大学や跡見学園女子大学、筑波大学、お茶の水女子大学、同線2駅隣の池袋駅周辺には立教大学に帝京平成大学と、多種多様な大学が存在するのだが、大学同士が提携する機会は残念ながら多く設けられていないのが現状だ。拓殖大学のある留学生も、「もっと交流を増やしたい」との声を寄せる。 また、移転を機に活動を開始したサークルも存在する。
・古着屋 ne:MIN(ne:MIN)
古着の売買をメインとする珍しいサークルは、今回の出店が初の企画となった。販売されている衣服は大学生から大人向けがメインであったが、値段を見ると100円や200円と書かれているものもあり驚かされる。同サークルはキャンパス移転を機に2023年度より新たに活動を開始しており、「目立てたらいい」とメンバーの1人は語る。(後略)
茗荷谷キャンパスは現状中央大学で一番歴史の浅いキャンパスになる。先人の積み上げた伝統を基に、大学の更なる発展と新たな社会貢献の形態を見出すことが喫緊の課題と言えるだろう。(両角)
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