top of page

【オンライン限定】「富岡製糸場と建築」

  • 執筆者の写真: 中央大学新聞
    中央大学新聞
  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

3月4~5日、新聞学会合宿で群馬を訪れました。今回も、富岡製糸場のリポートをオンラインで限定配信します。


 富岡製糸場は1872年に創業し、建物には様々な工夫がなされていた。本文では筆者が実際に訪れて驚いた建築の工夫から2点挙げていく。

 


富岡製糸場 東置繭所
富岡製糸場 東置繭所

 一つ目は、東置繭所の大きな窓だ。繭を保管するために作られた東置繭所は繭を乾燥させるための大きな窓が特徴的である。富岡製糸場のある富岡市は、になると西から東にかけて「からっ風」という冷たい強い風が吹く。当時は繭を乾燥させる技術がなかったため、この風を使い繭を乾燥させていたようだ。そのため置繭所は南北に長く、窓は東西に設置されており、風が吹き抜けるようになっていた。富岡市だからこそできる自然の利用であろう。 



 二つ目は、操糸場の二つの屋根だ。これを越屋根という。越屋根には窓があり、繭を煮るときに出る臭いを換気するために作られた。   

 また繰糸場にあるガラス窓に関して創業当時では海外からわざわざ輸入していた。ガラス窓を用い太陽光を取り入れることで、電気がなくとも繰糸場内を明るくすることができるという工夫である。

 また繰糸場にはトラス構造という建築手法が使われている。この手法は三角形に力を加えても変形にくいことを利用したものであり、柱をなくすことができる。富岡製糸場はこの構造を利用することで、広い面積を確保することを可能にしたのだ。 


 富岡製糸場は、近代化の象徴であるように建築や生糸の製造法に時代の変化を見出すことができた。群馬を訪れた際には、富岡製糸場で時代の変化を感じてみてはどうだろうか。(川上) 

Comments


  • Facebook ホワイトアイコン
  • Twitter
  • Pinterest ホワイトアイコン
  • Instagram

© 2024 CHU-DAI SHIMBUN

i.png
i.png

紙面での定期購読はこちらから!

bottom of page